【 金融市場の事件簿 】 (2) 銀、大暴落!大波乱のGW

 (XAGUSD 銀/米ドル)

2011年5月2日~5日 XAGUSD チャート
2011年5月2日 XAGUSD チャート

 今週のマーケットを語る上で、銀を外す訳にはいかないでしょう。来るべき暴落がついに来た、という感じです。5/2 ~ 5/5にかけて48ドルから34ドルへ急降下、実に29%の大暴落です。

 最初の事件は5/2の日本時間7:25頃に起きました。たった12分の間に48ドルから42ドルに暴落したのです。おそらく、どこぞの誰かさんが最も取引の薄い時間帯を狙って売りを仕掛けたのではないかと思います(たった数分の間に全財産失った、とかいう話も……)。この一撃で銀市場はパニックになり売りの連鎖を呼んで4日連続の暴落となり、他の商品市場にもその影響が波及していきました。

 今回の暴落の背景には、CME(シカゴ先物市場)が銀先物の証拠金を連続的に引き上げた結果というのが、貴金属市場関係者の間では共通した認識のようです。証拠金引き上げは過熱したマーケットを意図的に冷ますことが目的のようで、証拠金引き上げが相場の下げを呼んだケースは過去にもあったのですが、今回はそれでも銀が高騰を続けていたので5/2朝の突然の売り仕掛けには意表を突かれました。

 日本の先物業者で注意しなければいけないことは、連休中で東工取(東京工業品取引所)が休場のときに相場が大きく動いてしまったときに損失限定の決済ができず、その結果として預けている証拠金以上の損失が発生する可能性があることでしょうか。貴金属のマーケットはほぼ24時間オープンしており、日本が休日でも海外では通常通り取引が行われていますので、そういうリスクを抱えている人は何らかのヘッジ手段が必要でしょう。株式の信用取引や、トルコリラ,南アフリカランドのような24時間オープンでない通貨ペアの取引でも、同様のことが言えると思います。
(筆者はCFDでもゴールドのトレードを行っていますが、海外先物市場と同じ取引時間帯に発注が可能で、かつ取引期日の制限がない業者を選んでおります)

 ただし、銀の実需は相変わらずタイトな状況が続いていますので、今回の下げは一過性なものではないかと思います。でも、君子危うきに近寄らず ですよ。


(旧ブログの記事より,2011.5.8)  


 流動性の薄いマーケットは恐ろしい

 銀相場の暴騰・暴落劇といえば、いわゆるハント兄弟による銀買い占め事件が有名です。ハント事件では、銀は1980年1月に1オンス 50.35 ドルという史上最高値をつけた後に10ドル台にまで大暴落するという unbelievable な値動きをしたのですが、2011年の銀暴騰劇でも その歴史的高値を更新するのではないかと真剣に囁かれました。まぁ 所詮は投機筋主導の暴騰劇であることはチャートを見れば一目瞭然ですので、いつの日か大暴落劇を演じるのは時間の問題だった訳でありますが。

 こういう相場では、暴騰劇の途中で買いから入っても 売りから入っても、痛い目に遭うのがお約束です。やってもいいのは、暴騰が始まる前に持っていた買いポジションを 利益確定の売りに出すことだけ。ハント事件にしても今回にしても暴落劇の引き金を引いたのは取引所による規制が入ったことですが、相場は生き物ですから それが必ずしも大暴落を引き起こすとは限りません。

 そうでなくても、銀相場は荒っぽい値動きをします。それはひとえに、市場規模が小さく流動性が低いことに尽きます。個人投資家は敬遠すべき相場と考えた方がよいですね。銀の現物を売買する分には構いませんが、銀の証拠金取引には多大なリスクがつきまとうことを ご認識して頂きたいと思います。

 なお、ハント事件については池水雄一さんのゴールドディーリングのすべて2に詳しい解説があります



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